2013.02.01 Friday
魹ケ崎 24
漁師さんが「腕を見せてもらうか」と言うのは初めての
事ですし、マグロでもすくえる様な大きなタモを用意されては 私にどれほどの魚を釣らせる気でいるのかと思いながら 船の舳先に立って考えていました。 白い灯台が目の前です。 南側にある少し大きな赤岩島の裏側から船を着けて もらいました。 大物がいたのは沖向きの投げれば届く所なそうです。 足元では無く投げてのポイントと言うのを聞いて、 当時出来たばかりの新素材のカーボンで作った 投げ竿4.5mの試作品を用意していました。 カニを餌に釣る事2時間。 アイナメの40cmクラスが3匹釣れましたが、強烈な当たりは ありません。 午後から出かけましたので夕方が迫って来ました。 残ったカニを潰して潮に載せて流し、水たまりで手を洗って いる時です。 穂先がガクンとお辞儀したと思ったら、直ぐに水中に入って行きます。 竿に手を掛け起こしに掛かったら、バーンと言う音と共に 竿が3ケ所で折れました。 今まで味わった事の無い恐ろしい引きでした。 竿が折れて短くなり、道糸が岩に擦れ切れてしまいました。 アッと言う間の出来ごとで、暫く呆然としていました。 いつも使用している竿だったら頑張れたかも知れません。 張り切って使いなれない道具を使用してしまいました。 何事、自然体で挑むべきでした。 その後大物は姿を消したそうです。 |